先日、日刊SPA! から取材を受けました。記事内容はリンク先を読んでください。
私は精子提供の制度そのものに昔から興味があり、日本の現状や諸外国との比較を長い間行ってきました。このサイトでも何度も述べているように、日本は法整備が不十分であり、それがトラブルの原因の一つとなっていると考えています。上記の記事のケースはその一端と言えるでしょう。
当サイトは、事前に対面または通話アプリを用いたビデオ面談を必ず行っており、お互い顔を合わせて事情を説明し、納得頂いた上で精子提供を行っています。提供の前には、必ず重要事項を説明・同意してもらい、認識の齟齬がないよう、入念に説明をしています。
提供を受ける女性に対する説明が不十分だったり、子どもを健全に育てられる環境ではなかったりした中で提供をしてしまうと、結局は子どもにしわ寄せが行き、何の罪もない子どもが苦しむことになってしまいます。そのようなことが起こらないように、私はこれまで十分に注意して精子提供に臨んできました。
精子提供をお考えの方は、トラブルに巻き込まれないように、以下の点に気をつけてください。
- 提供を始める前に、説明や面談の機会を設けているか。説明なし、もしくは不十分な状態で提供を始めようとしていないか。
- 提供前に契約書やそれに変わるもの(当サイトの精子提供相談フォーム等)で条件の確認や重要事項の合意を行っているか。
- 子どもが産まれた後のことまで考えた説明を行っているか。
- 実費(1-2万程度)を遥かに超える過剰な金銭等を要求されていないか。
- 過度に依頼者を優遇する条件(精子提供者が費用負担、どこにでも無償で出向く等)で提供をしていないか。
- 質問や疑問に対し、丁寧かつ誠実に対応しているか。
- 依頼者にとって不利な事実(高齢だと妊娠しにくい、すぐに妊娠できるとは限らない、産み分けは難しい等)も隠さず説明しているか。
- 「他の提供者には連絡しない方がいいです」等、他の精子提供者への相談を止めるような発言はしていないか。
- メールやLINE等、文章で記録を残すことを過度に避けていないか。「話はメールでなく通話でしましょう」のような、記録が文書の形で残らないやり取りにこだわろうとしてないか。
まだまだたくさんありますが、多すぎても困ると思いますのでこの辺にしておきます。
「トラブルに巻き込まれるかもしれない」と思った場合は、提供を受けることを中止するよう強くお勧めします。精子提供において最重要視すべきものは、容姿や経歴ではなく、相手に対する信頼です。他の全てが優れている(ように見えた)場合でも、信頼が崩れ去ってしまえば全てが無意味です。子どもは生まれれば終わりではなく、その後20年近く一緒に暮らしていくことになります。そのことをよく考えた上で、慎重に精子提供者を選んで下さい。
一日も早く、精子提供が法律によって規制・運用され、誰でも安心・安全に利用することができる日が来ることを願っています。