SNSとブログ作成補助サービスの進歩により、誰でも自分のサイトやSNSアカウントが作れるようになりました。その影響もあり、精子提供者も随分と増えています。最近は Twitter アカウントだけで運用している精子提供者も多いです。Twitter で検索すればいくらでも精子提供者を名乗るアカウントを見つけることができます。
選択肢が増えたこと自体はとてもいいことです。多くの人が家族を授かることは、その人達の幸せだけでなく、国家の為にもなります。精子提供を国内で行う民間業者が事実上存在しない現状においては、精子提供者の数が選択肢の数そのものです。
しかし、問題が無いわけではありません。
私は精子提供をするに当たり、弁護士や医師の意見を調査し、または相談した上で、なるべく依頼者が安全に子どもを授かれるように配慮してこれまで活動してきました。シングルマザーやレズビアン、GID、男性不妊カップルの方など、依頼者の置かれている状況を理解する為に、本やニュースを毎日チェックして知識の習得に努めています。
しかし、どれだけの精子提供者が妊娠・出産・子育てに関して、また依頼者の社会的な状況に関して理解しようと務めているでしょうか。精子提供者の中には、プロフィールや説明が不十分だったり、明らかに科学的な誤りを含んでいたりする人が散見されます。精子提供をするには資格も許可もいりません。理解に乏しい提供者も多いのではないかと以前から心配してました。
以前から精子提供者の質には心配していましたが、最近トラブルの相談を受けてからそれが確信に変わりました。以前私に相談していて、最終的に他の精子提供者から提供を受けた方が、詐欺を受けたと相談してきたのです。
私は精子提供の現場に居合わせたわけではないので、真実がどうかはわかりません。しかし、余程の行き違いがあっても、「騙されて子どもを産んだ」というトラブルにはならないと思うのです。少なくとも、精子提供についての説明が不十分であったことは容易に想像できます。
このぐらい大きなトラブルは流石に少ないですが、精子提供を受けた後に相手が所在不明になってしまった等の小さなトラブルの報告は数多く聞きます。虚偽や誇張の表現をし、また不誠実な対応をしている精子提供者は少なくありません。
子どもとは一生の付き合いとなります。後で取り消すことはできません。今は精子提供は自己責任の領域です。こちらの記事を参考に、しっかりと人物を見極めてから精子提供に臨むことをおすすめします。不安な場合は、私から提供を受けるか否かを問わず、相談に乗っています。これまで私は300件以上の方の相談に乗っており、依頼者の状況についても良く理解しています。不安やわからないことがあった場合、いつでも相談してください。