「一人の精子ドナーから生まれた子が多いと、将来その子ども同士が知らずに結ばれてしまうのでは?」という不安はよく耳にします。本記事では、ドナー上限を100人とする前提で、現実的な前提条件のもとにリスクを定量評価します。
実社会では配偶者は全国から一様に選ばれるわけではなく、主に同年代・同地域(通学・通勤圏)で出会います。ここでは、その「有効母集団」を M として、ドナー由来の子ども数を n(男女半々)とすると、同一ドナー由来同士が将来結ばれる期待件数は近似的に
E ≒ n² / (4M)
と表せます(各人が独立に母集団から相手を選ぶ近似)。「少なくとも1例が起きる確率」は 1 − exp(−E) ≒ E(Eが小さいとき)で概算できます。
| 有効母集団 M(同年代×同地域×異性) | n=10 | n=30 | n=50 | n=100 |
|---|---|---|---|---|
| 200万人(大都市圏) | E=1.25×10−5/約0.00125% | E=1.125×10−4/約0.011% | E=3.125×10−4/約0.031% | E=0.00125/約0.125% |
| 100万人(都市圏) | E=2.5×10−5/約0.0025% | E=2.25×10−4/約0.023% | E=6.25×10−4/約0.063% | E=0.0025/約0.25% |
| 30万人(中規模圏) | E=8.3×10−5/約0.0083% | E=7.5×10−4/約0.075% | E=0.00208/約0.21% | E=0.00833/約0.83% |
読み方:上限を100人に抑えると、同年代×同地域の母集団が30万人規模でも「少なくとも一例」確率は1%未満に留まります。都市圏ほどさらに低くなります。
全国人口 N=1.2×108 から完全ランダムに結婚相手を選ぶと仮定したとき、特定の一組が兄妹等となる確率は P ≒ (n/N)×((n−1)/(N−1))。n=100 では P ≈ 6.9×10−13 と極小です(参考値)。ただし、現実の出会いは地域・年代に偏るため、上の「有効母集団モデル」での評価が実務上は有用です。
私は妊娠に至った人数が100人に達した時点で提供を終了します。これは、現実的な出会い母集団で評価してもリスクが十分に低水準に保たれること、そしてご家族の安心を最優先に考えての上限設計です。
精子提供は東京都・首都圏を中心に行っていますが、当サイトは全国対応です。これまでにも全国各地の方からご相談をいただいており、地域を問わず対応可能です。特に東京都からのご依頼が多い傾向にありますが、地方にお住まいの方も安心してお問い合わせください。